赤甲羅な雑記

アニメ・マンガとかの記事を書く量産型無個性ブログです

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「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」が最高だったから感想

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正直言って最高でした。これは詳細を省いて結論だけ言うとそんな感じです。ぶっちゃけこれ以上の褒め言葉が無いですし、感想を語るのすら蛇足感あります。というか意味不明とか言われてる現状だと感想を語ると気違いっぽいのであんまり語りたくないってのもありますが。

 

まあそれはそれとして感想です。ちなみに僕は世代的にドラマ版は見てないです。あとネタバレは普通にしますので気になる人は見ないで下さい。僕としてもネタバレなく見てもらったほうがありがたいです。まだ見てない人へのアドバイスとするなら「君の名」はより新海誠監督の昔のアニメ映画が好きだったみたいな古参オタクは多分好きなんじゃないかと思います。逆を言うと君の名は is 最高みたいな若いパンピーみたいな人にはかなり向いてないと思います。まあ前評判でわかってることですね。

 

それでは本文です。個人的には最近見たアニメ映画の中でもダントツに面白い作品、というか「君の名は」より面白い映画でした。久々にジュブナイルモノで感動した気がします。あとシャフトアニメでマジで面白いと思ったのも久々かもしれません。まどマギ以来なんじゃないかと思います。

 

おそらく本作は「君の名は」のヒットを受けて作られた映画、いわゆる流行に乗って作られた映画です。そのせいか割りと粗があります。冒頭の自転車を引きの視点で3DCGで書いてるシーンとかあるんですが、これがかなり雑いムーブするんですよね。前評判が悪かったので正直冒頭はかなり心配…というより評判通りのクソ映画なんじゃないのかと思ったくらいです。

まあ気になったのはそれぐらいでそれ以外の部分は全部良かったです。演出上シャフト感は若干強いのは否めませんが、アニメの作画や背景は文句のつけようもなかったです。特にヒロインのなずなの可愛さに関しては尊すぎて言語力を無くしました。本当に中学生かこれ。あのミステリアスさヤバすぎ。これはガチ恋待ったなしですわ。それでいて親の前だと妙に子供っぽかったり年相応な一面もある。一見するとフィクションにありがちなキャラクター造形。しかし実際には精神的に成熟しきっていない中学生の心理をよく捉えているキャラクターで、こんな彼女が欲しかった!って思う人にはドストライクなんじゃないでしょうか。やっぱ二面性のあるキャラっていいですよね。

 

作画に関してはこんなもんであとはストーリーの話ですね(なずなの話ばっかしてた気もする)。巷ではわけの分からんと噂になってるのですが、昔のアニメ映画のほうが意味分からんアニメでいっぱいなので言うほどではないです。さっきぼくが昔のアニメ好きな人に向いてるとか言った気がしますが、それもこの辺に起因してます。

ストーリーとしては謎の球体…タイムリープやループものにおけるマクガフィン的サムシングがあって、それをヒロインが拾って主人公が使ってBADENDを回避するみたいな話です。なんかノベルゲーめいてますね。古参オタクが好きな要素満載です。もはや古参を通り越して老害オタクなのかもしれません。

それでBADENDを回避した後にはGOODENDもしくはTRUE ENDに到達するのがノベルゲーってもんですが、本作もこんな感じです。というかこういう作品に影響受けてゼロ年代当たりのノベルゲーなりタイムリープモノって出来てたんですかね。これはこれで原点を見る感じで面白かったです。

ストーリーの話に戻って最初はGOODENDに到達、次にTRUE ENDに到達というのがだいたいの筋です。この作品では一日の終わりに花火が打ち上がり、その形状でENDの良し悪しを見るというのが特徴です。ループの発生自体はどこでも起こりえますがどうも期限としてはこの花火が打ち上がるというシーンまでっぽいですね。まあゲームじゃないんで正確に決まってるわけではないと思います。

ストーリーとしても作品のテーマとしてもこの花火の一日というのは大きな核ですね。ループものとしては前述のとおりですし、なずなや典道が望んだ叶わぬ一瞬の体現、花火というモチーフもこの一瞬や刹那的なモノの尊さや美しさを暗示しているようにも思います。恋とか瞬間芸術に共通する刹那的なモノに対する憧憬ってやつですね。アイアムジャパニーズだからこういうの大好きです。

またもう一つのテーマとしてはやはり可能性でしょうか。可能性の獣である淫夢くんが…ではなく、可能性があればいいんだ!バナァージ!でもなく、可能性というのは本作の大きなテーマになっていると思います。あらゆる可能性が混在するループものでは割りとよく用いられて、ループによって人物や状況が浮き彫りになり物事の可能性を提示するっていうよくあるアレですね。本作も茂下町とか名前からしてド直球すぎだろこのネーミングとか思ったもんですが、可能性というテーマを明示するならこんくらいがいいかもしれません。

それで可能性ですが、あの謎の球体はやっぱり可能性の塊のような存在だったんだと自分では思います(願いを叶える球と作中では言及されていましたがそれは正確ではないと思います)。酔っ払った花火師がラストシーン間際で謎球体を打ち上げていた際にモブ達が様々な可能性を目にしていたことからもそれはなんとなく伺えました。

このお話はだれもが主人公に成りえた物語、あらゆる可能性があった。ラスト付近でForever friendsが流れたシーンではそんなことを暗示していたように思います。ただ、他の登場人物たちと主人公の典道が唯一異なっていたのは自らのその可能性を選び取るもしくは掴み取ることをしていなかったというのが違いだったと思います。可能性の欠片を彼だけ掴み取っていたことも印象的でした。花火というのも平面がいくつも重なってできていますしこれもまた可能性の暗示なのかもしれません。

それでラストシーンですがなんか典道くんどっか行ってましたね。おそらく掴み取った可能性を追っかけた気がするんですけど、実際にはどうなんでしょうか。可能性という物語のテーマ上、不確定な方が面白いですしいろんな解釈があってもいいと思うのですが、ハッピーエンド至上主義の僕としては彼が東京まで行ったという説を支持したいですね。

 

そんなこんなで感想でした。だいたい言いたいこと言い終わったのでもうこんなんでいいと思います。適当かましすぎた気がしますが、無駄に長くなったので終わりにします。これ以上書いても収集つかなくなる気がしますので。

それにしても誰かとこの映画を語りたい…周りに見てくれそうな人も語れそうな人もいなくて辛い…。