赤甲羅な雑記

アニメ・マンガとかの記事を書く量産型無個性ブログです

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ガーリッシュナンバー小説版1巻2巻読みました

やはり地の文があるとキャラクターの個性というか内面がより理解できますね。そこそこ著作は読んでいますが渡航氏の非常に秀でた文章力は今作でも健在の様です。しかしながら有り余る文章力のせいか主人公の烏丸千歳がロクに本も読まないおバカキャラな割にかなり頭が良いもしくはそれなりに知識を備えたキャラクターとして印象付けられてしまったのは少し残念であったようにも思えます。もっとも兄の悟浄君に対してやーいマーチマーチとか言ってる時点で恐らくは早慶上智あたりの大学に通っている気がしますし学自体はあるのでしょう。あれこいつ俺より学歴よくね?もっというと作者より良くね?

小説版ではアニメ冒頭での劇中アニメのイベントに至るまでの過程が描かれていました。所謂ガーリッシュナンバー/ZEROですね。基本的なスタンスとしては千歳と悟浄の烏丸兄弟、劇中では烏丸ップとか某解散アイドルのような呼ばれ方をしていましたがこの二人の視点が適度に入れ替わりつつ物語が進行していきます。千歳についてはさっき書いたので次は悟浄君でしょうか。悟浄くんにについてはアニメでスポットがあんまり当たらないので何を考えているかわかりづらい所もありましたが、小説版では地の文入りでガッツリと、加えて過去話も交えており彼というキャラクターがより一層わかる内容でした。特に意外であったのは主要キャラである片倉京との関係で、この二人は彼が声優時代の頃からの付き合いみたいですね。そこそこキャリアもあって事務所も同じとなればそりゃ繋がりくらいあるだろうという感じですがアニメだと接点のある描写が少ないので個人的には意外でした。割と盲点だったかもしれません。それはそうとちょっと年上のおねーさんっていいよね。BBAもアラサーも萌え要素~。ついでにクズも萌え要素~。はあ千歳ちゃんクズ可愛い…。

それはそうと悟浄くんと片倉京の関係もですがやはり氏は微妙な人間関係というか距離感を描くのはホントに巧みですね。俺ガイルではこの距離感の描き方でラノベ業界に大旋風を巻き起こしたといっても過言では無く、本作でもこの技巧が各所に見られます。これは久我山八重と烏丸千歳が代表的でしょうか。彼女らが互いに悪態ついているのはアニメでも小説でもおなじみ、実はこいつら仲悪いんじゃねーのとか思ってたりしましたがどうもそういうわけではなく…。千歳の地の文を読む限りでは八重に対してはかなり好意的…まあ悪意的な面ももちろんありますが本音のところでは嫌いではないようです。また小説である理由から少し関係がぎくしゃくしてしまう場面があったのですがその際にはお互いに煽り合ったりすることのない、他愛もなく毒もないむしろ健全な会話をしていました。どうもあの毒のある会話は彼女らにとっては正常なコミュニケーションを取っている状態のようですね。なんともめんどくさい関係ですがこのめんどくささが面白くキャラに息遣いやリアリティを与えているのでしょうね。氏のこういった複雑な関係を構築しそれを巧みに描く技術には毎度のことながら感服してしまいます。

あとは烏丸ップの二人のでしょうか。こいつら割とお互いに好き好きビーム飛ばし合ってむしろ戦争している感があるのであんまり書く必要もない気がしますがやはりふとした時に見せる兄妹愛には胸を打たれますね。お互いがお互いをよく熟知しているからこその関係性はいつ見ても良いものです。

 

こんなところでしょうか。ほかにも声優業界裏話やメインのお話についてなど書くこと書けることはあるんですが冗長になるのでこの辺にしておこうかと思います。一応ネタバレには配慮して書きましたが誰も見てないのでそもそも配慮する必要もなかったように思います。

最後にですがガーリッシュナンバー小説版、非常に面白い小説です。読んでおけば間違いなくアニメを倍以上に楽しめる出来となっているのでアニメが面白い、キャラが好き、声優業界について知りたいといった方には是非お勧めです。

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